〜レメイン村〜
あの洞窟を出てから何キロ歩いただろうか。このあと帰り道の道のりを考えると、寒気がした。
俺も一緒に帰ればよかったと心から思っていた。
なにより一番最悪なのは、誰も何も喋らなかったことだ。大佐に関しては、なぜかまじめ面で、さっきの
カノンノの事を考えると、盛り上がるのが申し訳なく思えてきた。
これらの条件によって、一番最悪な空気がここに流れ込んでいた。
「着いたぞ。」
あの気まずさからやっと解放された。
「よっしゃあああああああ!!」
とエドワードがはじゃいでいるときに、みんなは青ざめていた。
下は崖になっていて、そこから村が見えるらしいのだが、その村を見下ろしていると、
村は火事で真っ赤に燃えていた
「随分にぎやかですねえ。」
ジェイドだけが冷静に、さわやかに反応した。
エドはいきなりの情景に、頭の中が何も無いような条件だった。
「マルタ―――――――――――!!」
エミルは、大事なものをそこに置いてきたかのように、崖を下って行った。
「・・・・・・・・・・・・・・」
マスタングは、しばらく沈黙が続いたが、
「よし。やっと現状を理解できた。」
ジェイドも現状を理解できたらしく、真面目な顔だった。
「どうやらギルドでゆっくり話し合うことは
できなくなったようだ」
〜レメイン村 ギルド付近〜
「マルタ!!どこにいるんだ!!」
エミルは、ドアをぶち破り、また壁を切り崩し部屋を隅々まで探したが、ついに外まで来てしまった。
「くそ!!」
エミルが壁を力強く殴ったとき、ついにギルドは全壊した。
その瞬間。後ろに人の気配がした。
その人物は、頭の左右に大きい造花を飾り、髪は茶髪の少女だった。
「・・・・・・マルタ!!」
エミルが名前を呼んだ瞬間、マルタはスピアーから刃を出し、戦闘態勢に入った。
エミルは、何がなんだかわからなかったが、
敵意を出していることだけはわかった。
「エミル・・・・・・」
マルタは寂しそうにうつむいて、顔を上げた。
その顔は、涙で濡れていた
「もう・・・・・こんなことはやめてよ・・・・・・・」
マルタはぐずりながら訴えたが、エミルにはなんのことかさっぱりわからなかった。
「・・・・・・・・・は?」
エミルがそう言葉を発した瞬間、マルタは叫びながらエミルに襲いかかった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
〜レメイン村 中心神社〜
エミルが幾度もなく人を殺していた。住民の腹を切り裂き、内臓をもバラバラに細かく切って、
柱が足にはまって動けない人間の頭を踏みつけ、頭がい骨が皮膚を突き破り、その傷口から脳みそと血が
たくさんあふれ出てた。
周りが肉片と血であふれていたところで、エミルの姿は、全体的に黒っぽくて、髪が長く、男か女か区別のつかないようで、左脚の太腿に紋章が付いている人間らしきものになった。
「いやー。生人が居なくなってすっきりしたねー。」
人を殺したことに全く罪悪感が無いみたいだ。
「おい。本当にその石は俺の野望を叶えられるんだろうな」
その人間の近くには、人間らしきものが居た。そのらしきものは、左手が化け物のような代物で、
マフラーの端からは火が出ていて、かなり人間離れしている。
「ああ。叶えられるさ。もう少しでできるから我慢してろよ。
がさあ。」
その男か女か区別のつかないような人間は、手を地面に置き、その地面から光を放した